神保町対談 小規模事業者のための売上アップ
この記事は神保町のコンサルティング会社、(株)コムラッドファームジャパンでの、江川コンサルと檜山コンサルの対談を書き起こしたものです。
第1回 ターゲットを絞る
まず誰が自分の商品やサービスに喜んでお金を払ってくださるかを、じっくり考えてみましょう。
例えば、20代後半の新米ママさん。そろそろ新しい靴が欲しいと思ってるのだけど。。
育児で忙しくて、毎日服に合わせて靴を決める時間がない。
時にはお迎えの時間に合わせるために走らなければいけないなんてことも。
でも、職場にいく時は、身だしなみもちゃんとしてなきゃいけなくて。
そんな時 「子育てド真ん中のワーキングマザーに今大人気のパンプス」というタイトルの記事をネットで見つけたら。。。
何を買うかを決めるのがお客様なら、そのお客様に「これは自分に向けられたメッセージだ」と思ってもらえないと、選んでもらえないんです。だから提供する側としては、自分の商品やサービスを買って頂きたいお客様に響くメッセージを伝え、ターゲットを絞り込むのが大切なんですよ。
そうですね。
例えば、ユニクロのような大企業はターゲットをほとんど絞っていないですよね。
今日本のご家庭で、自宅にユニクロの服が一着もない、というご家庭はあまりないのではと思われます。
「ターゲット = 全日本人」みたいな。
ただ、ユニクロのビジネスモデルは、ものすごい資金力があって成り立っています。
広告に莫大な予算をかけて、日本中のいたるところに店舗を構えられる。
だから、ターゲットをほとんど絞っていなくても、成り立つビジネスモデルなんです。
こんな風に、幅広く色んな人に売れた方がいいに決まってます。
でも、フリーランスや小規模事業者、ユニクロほど大きくビジネスを展開することは難しく、競合もいますよね。
特に先ほど例に出した女性用の靴なんて、競合だらけですよ。
お客様側にも、いろんな靴を買う選択肢がある場合は、「自分に向けた」メッセージでなければ、振り向いてもらえないんですね。
「全ての人」に向けたメッセージというのは「誰にも」届かないんです。
まず年齢、性別で絞るのは、ほとんどのケースで間違いです。
そうそう。年齢や性別のような「単なる属性」ではなくて、お客さんの課題・現状・理想で絞るのがポイントです。
この際に「A(課題)なんだけどB(現状)で、C(理想)の人」という風に3つの要素を掛け合わせると上手に絞れます。先ほどの例だと、ターゲットは「①通勤するからちゃんとした靴を履かなければいけないんだけど、②子育て中、③でもある程度おしゃれなパンプスを探している。。」
人は、絞られたターゲットへのメッセージに引き寄せられる性質があるんです。
他人へのラブレターにドキドキしちゃうみたいな。
たとえ、自分に向けられたメッセージでなくても、反応してしまうという。
でも、これが最初から、ざっくり全女性に向けた「履き心地ばつぐんのおしゃれなパンプス」では誰も振り向かないんですねー。
人が興味を持つ順番としては、
まず「自分に対して向けられたメッセージ」
次に「他人に対して向けられてメッセージ」
そして最後が「広く一般の人に対して向けられたメッセージ」です。
この絞られたターゲットへのメッセージに引き寄せられる事例として、歌手の宇多田ヒカルインタビューがあります。
17歳のときのインタビューなんですけど、これがすごいんですよ。
「大勢の人に向かって曲を書こうとしたことはない。夜中にラジオの前で独り耳を傾けてるその人に向かって、曲を書いている。」と。
17歳でペルソナ設定してるっていう。
天才ですね。結果マスに届いてますよね。
話を戻しますね。
あと、「子育てド真ん中の、ワーキングマザーに、今大人気のパンプス」は、恐らく「おしゃれで履き心地がよいのでは」と思わせますよね。
だったら、それを買うのは、すでに子育てを終わった女性かもしれないし、もしかしたら、就活中の大学生もいけるかも?
と言う感じに、ターゲットを絞っても、メッセージが尖っていると、ターゲット以外の人たちに価値が伝わるんですね。
でも最初から、「子育て中のオフィスのママにも、就活中の大学生にも、子育てを終わられた女性にもぴったり」とやってしまうと。。。
では、ターゲットを絞るときは、年齢や性別ではなく、課題・現状・理想を入れた3ステップで絞ればターゲット以外も振り向くキャッチコピーができるんですね。
ありがとうございました!