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売上アップの右腕

なぜ、ターゲットを絞ると、逆に売上が上がるのか?

神保町対談 小規模事業者のための売上アップ

この記事は神保町のコンサルティング会社、(株)コムラッドファームジャパンでの、江川コンサルと檜山コンサルの対談を書き起こしたものです。

第1回 ターゲットを絞る

コンサル江川
江川
小規模事業者が売上をアップするのにまずすべきことは何でしょう?

コンサル桧山
桧山

まず誰が自分の商品やサービスに喜んでお金を払ってくださるかを、じっくり考えてみましょう。

例えば、20代後半の新米ママさん。そろそろ新しい靴が欲しいと思ってるのだけど。。

育児で忙しくて、毎日服に合わせて靴を決める時間がない。
時にはお迎えの時間に合わせるために走らなければいけないなんてことも。

でも、職場にいく時は、身だしなみもちゃんとしてなきゃいけなくて。

そんな時 「子育てド真ん中のワーキングマザーに今大人気のパンプス」というタイトルの記事をネットで見つけたら。。。

コンサル江川
江川
ついクリックしちゃいそうです!

コンサル桧山
桧山
ですよね。これが、「30代女性に大人気のパンプス!」という記事なら?

コンサル江川
江川
あまり具体的でないので微妙ですね。スルーするかもしれません。

コンサル桧山
桧山
そうなんです。
何を買うかを決めるのがお客様なら、そのお客様に「これは自分に向けられたメッセージだ」と思ってもらえないと、選んでもらえないんです。だから提供する側としては、自分の商品やサービスを買って頂きたいお客様に響くメッセージを伝え、ターゲットを絞り込むのが大切なんですよ。

コンサル江川
江川
でも、ターゲットを絞ると、お客さんの数が減りそうで、中々ターゲットを絞ることが怖いと思っている事業者様が多いように思うのですが、、最悪の場合、売上が下がりませんか?

コンサル桧山
桧山

そうですね。

例えば、ユニクロのような大企業はターゲットをほとんど絞っていないですよね。

今日本のご家庭で、自宅にユニクロの服が一着もない、というご家庭はあまりないのではと思われます。

「ターゲット = 全日本人」みたいな。

ただ、ユニクロのビジネスモデルは、ものすごい資金力があって成り立っています。
広告に莫大な予算をかけて、日本中のいたるところに店舗を構えられる。

だから、ターゲットをほとんど絞っていなくても、成り立つビジネスモデルなんです。

こんな風に、幅広く色んな人に売れた方がいいに決まってます。

でも、フリーランスや小規模事業者、ユニクロほど大きくビジネスを展開することは難しく、競合もいますよね。

特に先ほど例に出した女性用の靴なんて、競合だらけですよ。

お客様側にも、いろんな靴を買う選択肢がある場合は、「自分に向けた」メッセージでなければ、振り向いてもらえないんですね。
「全ての人」に向けたメッセージというのは「誰にも」届かないんです。

コンサル江川
江川
でも、どうやってターゲットを絞ればよいのでしょう?

コンサル桧山
桧山
色んな方法がありますが、ある程度のお約束があります。
まず年齢、性別で絞るのは、ほとんどのケースで間違いです。

コンサル江川
江川
先ほどの、「30代女性に大人気のパンプス」みたいな。。。

コンサル桧山
桧山

そうそう。年齢や性別のような「単なる属性」ではなくて、お客さんの課題・現状・理想で絞るのがポイントです。

この際に「A(課題)なんだけどB(現状)で、C(理想)の人」という風に3つの要素を掛け合わせると上手に絞れます。先ほどの例だと、ターゲットは「①通勤するからちゃんとした靴を履かなければいけないんだけど、②子育て中、③でもある程度おしゃれなパンプスを探している。。」

コンサル江川
江川
なるほどー。

コンサル桧山
桧山
あともう一つ、ターゲットを絞ることのメリットがあるんです。

コンサル江川
江川
なんでしょうか?

コンサル桧山
桧山
ターゲットを絞るとターゲットじゃない人も買う」という逆転現象が起きるんですよ。

コンサル江川
江川
へぇぇ。

コンサル桧山
桧山

人は、絞られたターゲットへのメッセージに引き寄せられる性質があるんです。

他人へのラブレターにドキドキしちゃうみたいな。

たとえ、自分に向けられたメッセージでなくても、反応してしまうという。

でも、これが最初から、ざっくり全女性に向けた「履き心地ばつぐんのおしゃれなパンプス」では誰も振り向かないんですねー。

人が興味を持つ順番としては、

まず「自分に対して向けられたメッセージ」

次に「他人に対して向けられてメッセージ」

そして最後が「広く一般の人に対して向けられたメッセージ」です。

この絞られたターゲットへのメッセージに引き寄せられる事例として、歌手の宇多田ヒカルインタビューがあります。

17歳のときのインタビューなんですけど、これがすごいんですよ。

「大勢の人に向かって曲を書こうとしたことはない。夜中にラジオの前で独り耳を傾けてるその人に向かって、曲を書いている。」と。

17歳でペルソナ設定してるっていう。

天才ですね。結果マスに届いてますよね。

コンサル江川
江川
「逆転現象」ですね。

コンサル桧山
桧山

話を戻しますね。

あと、「子育てド真ん中の、ワーキングマザーに、今大人気のパンプス」は、恐らく「おしゃれで履き心地がよいのでは」と思わせますよね。

だったら、それを買うのは、すでに子育てを終わった女性かもしれないし、もしかしたら、就活中の大学生もいけるかも?

と言う感じに、ターゲットを絞っても、メッセージが尖っていると、ターゲット以外の人たちに価値が伝わるんですね。

でも最初から、「子育て中のオフィスのママにも、就活中の大学生にも、子育てを終わられた女性にもぴったり」とやってしまうと。。。

コンサル江川
江川
結局、誰に向かって言っているのかわからなくなりますね。

コンサル桧山
桧山
はい、その通りです。めちゃめちゃ嘘っぽいメッセージになりますからね。

コンサル江川
江川

では、ターゲットを絞るときは、年齢や性別ではなく、課題・現状・理想を入れた3ステップで絞ればターゲット以外も振り向くキャッチコピーができるんですね。

ありがとうございました!

 

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